床の上に仰向けに寝転がったイギリスが、俺を呆然と見上げている。
その視線には、戸惑いと怒りとそしてほんの少しのおびえが含まれていて、ああうるさいな、と思った。
「ァメリカ…!」
変にうわずった、悲鳴にも似た非難の声。
やめろ、とか、はなせ、とか。
出てくるのは聞きたくもない否定の言葉ばかりで。
「うるさい」
近頃では日常になってしまった鈍いいらつきにまかせて、乱暴にイギリスを押さえつける。
握った手首や肩から、びくりと小さな震えが伝わった。
「きみの言うことなんて、聞く気はないよ」
そう言って、にっこりと笑ったら、イギリスは一瞬目を見開いて、それからゆっくりと諦めたように目を閉じた。
その拒絶するような反応がまた癇に障って。
俺は、硬く瞑った瞼をこじ開けるように乱暴に口付けた